平城宮跡を守る会は(2013年)2月23日、奈良市中部公民館で「平城宮跡を考える 自然観察会報告会&パブコメ対策会」を開催しました。
前半は、2月11日に平城宮跡で開催した自然観察会の報告。 観察会ではおよそ2時間で106種の植物と13種の野鳥を確認。市街地の真ん中で、草地・湿地独特の豊かな生態系が育まれているようすを実際に確かめました。 一方、第一次朝堂院広場の舗装に伴って新たに造成される「調整池」予定地では、近畿第2の規模のツバメのねぐらであるエリアが重機によってかなり破壊されており、その惨状についても確かめました。土セメント舗装が始まればアルカリ性の汚濁水が池に流入することも想定され、生態系が一変してしまう危険があります。 後半は、2月末〆切のパブリックコメントについて検討しました。 話し合われた論点は以下の11点。 ①世界遺産コアゾーンの中の事業。整備プログラム案は大きな現状変更であり不適切。 ②築地回廊の真実性に疑問が。確かなことがわかるまで建設せず、復原はCGで。 ③整備により地下水位が低下し、木簡等の地下埋蔵物を毀損する懸念が払拭されていない。 ④景観を損ねる。高さ8メートルの築地回廊が建設されると、東大寺大仏殿・若草山への眺望が阻まれる。草地・湿地の舗装は、多くの人に愛されてきた独特の景観を損なう。 ⑤周知不足。奈良市内でも整備計画はほとんど知られておらず、「国民的プロジェクト」にはほど遠い。時間をかけて合意形成を。 ⑥平城宮跡展示館は、現存の平城宮跡資料館との違いがない。もし作るなら、県営プール跡地に、奈良の通史を展示する大規模な歴史博物館を。 ⑦歴史公園としての利便性と価値が低下する。朝堂院広場が舗装されると、春から秋には日中歩けないほど暑く、冬は寒くなり、公園としての利活用性が低下する。アスファルトや土セメントは奈良時代にない舗装材で、復原とはいえない。 ⑧近鉄奈良線・みやと通・県道矢田奈良線の移設は現実的でない。移設を前提しない整備プログラム案を。 ⑨市街地の中に残る自然としての再評価を。基本構想からの35年間で、周辺の緑地・耕地は激減。 ⑩朝堂院広場と調整池の整備工事が、希少動物カヤネズミの生息地や、近畿第2の規模のツバメのねぐらを破壊。草地・湿地環境の保全を。 ⑪朝堂院広場の全面舗装は不要。中心軸線の確保は、公園計画概要図にある中央部の通路整備で可能。 考えれば考えるほど、奇妙な整備プログラム案です。 このまま進められることのないよう、パブコメを送りましょう。 国営平城宮跡歴史公園整備プログラム(案)に関する意見募集
by hjks
| 2013-02-25 03:27
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